我が家の自閉っ子のマリオ(現在は青年ですが)の成長と、自閉独特の面白?話をお送りします。現在、 管理人がマリオの恩師と一緒に「ハッピー・クローバー」という障がい児・者を応援する会を作りました。障がい児・者の余暇を広げるためにいろいろな事にチャレンジしていきたいと思ってます。先々はマリオも手伝ってくれるといいな~

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ただ、題名のとおり、今回はちょっと哀しいお話です。とくにネコ好きの方にはつらい
思いをさせるかもしれません。あらかじめ、お詫びいたします。

そんなお話ですが、もしよろしければこちらへ↓(ちょっと長くなっちゃいました)
以前もご紹介したように、いま我が家には2匹のネコ(お嬢ラムとおてんばチャッピー)
と1匹のイヌ(甘えん坊メりー)がいます。一番最後に加わったはチャッピー、彼女が
来たのが一昨年の秋。でも、実はその2年前に我が家にはもう1匹別のネコがいました。

名前はクロ。家の前の公園で捨てられ必死に泣いてた猫をカリンが見つけて
連れて帰ってきてしまったのだ。目もほとんど開いてない、自分で餌すら食べれない、
片手の掌の上に軽く乗せられる大きさ。ふるふると震える、ホントに小さな小さな命。
文字どおり生まれたばかりという状態でした。

「このまま放っておいたら絶対死んじゃうもん!」
…カリンは連れ帰った言い訳を、必死にしてました

実は、私の父(つまりお祖父さん)は大のネコ嫌い。だから我が家はネコを飼うなんて
とんでもないことだった。しかし、実家の隣に新築した我が家に実家からネズミが移っ
てきて、夜な夜な部屋の中を歩きまわり不衛生だったので猫(ラム)を飼うことを例外
的に認められだけだったのだ。

「みて!こんな状態で公園に返してくるなんて、絶対できないからね!イヤだからね!」

確かに、普通ならお母さんネコの母乳を手探りで飲むような赤ちゃんネコ。この状態で
放り出したら、まずもって死んじゃうだろう。そこまで酷いことができるはずもない。

結果として、我が家に2匹目のネコが加わることになったのでした。

名前は、真っ黒猫ではなかったのですが、黒っぽいネコだったのでクロ(安直^^;;

カリンは早速ネコ用の哺乳瓶を買ってきて、ミルクを飲ませてあげました。人間の赤ちゃ
んと一緒で、3時間おきにミルクをあげる必要がありました。また、目ヤニがひどかっ
たので丁寧にとってあげなければいけません。ウンチも独りでできないので、
綿棒で肛門を刺激してやっと排泄できるというような状態だったんです。

「ホント、人間の赤ちゃんと一緒よ」
…とても大変なんだよ!というアピールをしながら、やっと安心したのかすやすやと眠
り始めたクロを抱きながら、カリンは嬉しそうでした。

前から我が家にいたラムは、とても臆病なネコでカリン以外の人間にはなつかず、
マリオやルイージが近寄ると一目散に逃げちゃう猫でした。だから、親に似てネコ好き
のマリオもルイージには、実はちょっと寂しかった&物足りなかったんだと思う。
皆、新たに加わったクーには事ある度に触れよう、触ろうとしました。

「そぉっと、そぉっと、ね。やさしくしてあげてね。まだ赤ちゃんなんだから」

カリンがそういうと、マリオも、半分おそるおそる、そっと背中を触れるようになでて
あげていました。でも、その顔はとても嬉しそう。…そりゃ、そうですよね。

■■■
ネコの成長は早いもので、あんなに弱々しかったクロもみるみる大きくなり、
2ヶ月もすると部屋の中を元気に走り回るようになりました。クロはラムとは対照的に
人に甘えるネコになり、ドタドタっと走り回ってたかと思うと、足元によってきては
顔をスリスリしてきました。
動くものにはすぐじゃれついてくるので、普通に歩いている足に、突然ガシっと飛びつ
いてきて「イタっ!」となる事も。

マリオは、そんなクロをとても可愛がり、いつもいつも一緒にいました。

結果として、クロが家族に加わって、良かった。
まあ、お祖父さんは前にもまして家に顔を出さなくなりましたが(汗

ただ、最初はやさしく触るだけだったマリオも、慣れてくると徐々に強く触れるように
なってきました。可愛がる気持ちが強すぎて、思わずギュっ!と強く抱きしめたくなる
気持ちって、私達もありますよね。そんな感じで、つい力が入るんです。

しかも、加減の見極めがちょっと分からないのか、時折「あぁぁ、もっとやさしくして
あげないと…」
というような光景を見かけるようになりました。立ったまま、ボンっと
上に放り上げたり、ゴミ箱代りのダンボールの中に放り込んだり、ちょっとハラハラす
ことがあるようになったんです。

その度に、「もっと優しくしないと、クロちゃん、痛いっていってるよ。死んじゃう
よ」
と言うのですが、あまり効き目がありませんでした。まあ、それでもクロはマリオ
に甘え、本当に命の危険に関わるようなことはしなかったので(マリオなりの手加減を
していたのかな)、そのままに様子を見守っていました。

そんな、とある休日の朝のことです。

まだ、うとうと夢見心地でいるなか、ドサっという物音のあと、「ウギャッ!」という
大きなネコの鳴き声がしました。

そのただならぬ気配に、反射的に私は飛び起きました。
カリンは、それよりも一足はやくかけつけた。ところ。。。

(ゴミ箱代りの)ダンボール箱のそばで、マリオが呆然と立ちすくんでいた。

そして、そのダンボール箱の中には、クロが横たわっていました。
クロは、一瞬じたばたと足をもがせたあと、ぴくりとも動かなくなってしまった。
目は・・・見開いたまま。

「まっくん!!何やったの!」思わず、カリンが声を荒げる。
「マリオ!」私も声をはりあげる

すると、マリオは、慌てて耳をふさいで、目をそむけました。

その様子をみて、ハっとして、私とカリンは目を見合わせました。反射的に私達はマリ
オがクロに乱暴な事をしたんだと思った。たとえば、箱の中に思いっきり叩きつけたと
か、ぎゅうっと強く締め付けたとかしたんじゃないか、っと。だけど、その場面を実際
に目撃したわけじゃない。

普通の子なら、自分がやってないなら言い訳・自己弁護をする。だけど自閉症児はそれ
ができない。むしろ、相手の「怒り」という行為から、まず避けようとする。それが、
第三者には「怪しい言動」に見えてしまう。誤解されてしまう。今のマリオの様子は、
まさにそれでした。

これ以上マリオを責め立ててはいけない、そう感じた私たちは、まずは冷静になること
にしました。いや、それよりも何よりも、まずやることがある。

「ちょっと病院にいってくる」
…カリンが近くにあったバスケットにクロをいれて駆け出していきました。

残ったマリオは、「クロちゃんは?クロちゃんは?…どうした?」としきりに言う。
「うん、いま、ママが病院に連れて行ったから、大丈夫だよ」とは言ったものの、余り
説得力はありません。ルイージは布団を頭から被って、つっぷしてました。

ふと、クロが横たわっていたダンボールの中をみると、ほとんど空の箱の底にはハガキ
のシールのカスがいっぱい残っていました。頼まれごとで、カリンが年賀状の封入をやっ
てたのですが、その時できる薄いビニールのシールカスが捨ててあったのです。

想像するに、いつものようにマリオがふざけてクロをダンボール箱に入れたんでしょう。
そこで、底に残っていたこのシールのカスをクロがひょんな拍子に吸い込んでしまい、
ノドにつまらせたのではないか。

こんな場合、普通の子だったら、「おれ、ダンボールに入れただけ」と、言い訳するん
でしょう。…だけど、マリオは何も言わない。言えない。


そうこうしているうちに、玄関が開いて、カリンが帰ってきた。
その様子を一目みると、どうだった?という言葉すらかけられなくなりました。

「クロちゃん。。。死んじゃった」

カリンが、泣きながら、籠にはいったクロちゃんの亡骸を、みせてくれました。病院に
いったときには、すでに瞳孔は開き、死んでいたとのこと。

「クロちゃん、死んじゃった?」

マリオがつぶやくように言う。そして、そっと亡骸に手をやる。
一番最初、クロが来たときに、おそるおそる触ったときのように。

「クロちゃん、死んじゃったよ。天国に行っちゃったの。もう、いないの」

数年前から、マリオは「死」ということにちょっと敏感になっていた。どんないきさつ
があってかは分からないが、年をとると死んでいなくなっちゃうという事に、殊更恐れ
をいだくようになっていたのだ。だから、ママやパパが誕生日を迎えて年をとると、
ひどく心配する。そして、怪我や熱など、ちょっとしたことがあると「死んじゃう?」
と聞くことが目立ってきた。

ちなみに、この死への恐れは家族に対してだけでなく、
自分の死についても気にかかるようなんです。
たぶん、人は自分は死んだらどうなる?という事が不安なのかな。
 …まあ、それは私らだって分からない・知らないことです。
  だから、それが不安なのは、ごく自然な気持ちなんですよね

そんな中、マリオは、クロが死んだということにを目の当たりにして、悲しむでもなく、
泣くでもなく、ただただ混乱しているだけのようだった。ルイージが大泣きしているの
とは対照的に。

「クロちゃん、死んじゃった?」

いや、くめくめさんも指摘されてたが、普通なら「泣いて悲しむ」のに、自閉症児は悲しいという
気持ちをどう表現して良いのか分からなかっただけなのかもしれない。
マリオは非常に険しい顔をしていた。

そして、何よりも今回は、事件が起きた直後に、私達がマリオを思わず問い詰めるような
ことをしてしまった。だから、マリオは「自分がクロを死なせた」と思い込んでしまっ
たのだろう。

「(オレのせいで)クロちゃん、死んじゃった?」

と何度も繰り返すマリオに、

「うん、でもこれは事故だから、仕方ないんだよ。マリオがやったんじゃないよ」

とあわてて否定したのだけど、もうその言葉はマリオには届かない。
ずっとずっと、繰り返して何度も何度も言葉にしていました。

・・・
自閉症児は、自分のやったこと、を他人に説明することが中々できない
言い訳とかをすることなく、ただただその場から逃げようとする。

しかも、起きた事態そのものはしっかりと理解していたりする。
とても大変な、まずい事態だということは。

そして、そこで怒られることで、自分がその事態を招いた「犯人」だと、
そのまま受けとめてしまう
。そう、本当は自分は何も悪くないのに、である。


私達は、今回、マリオにとてもまずいことをしてしまったんです。

自閉症児のまわりで起きた事件には、本当に慎重にことを進めないといけないと思う。
じゃないと、場合によっては罪も無いのに転嫁され、無用に傷つけることになる。

一方で、大事なものが無くなる…「死」というものに直面したマリオが、とても悩み混乱
した、ある意味で「死」を学んだ、いろんな意味で忘れられない事件となりました。

■■■
クロちゃんの死をきちんと受け止める意味でも、クロちゃんのお墓をつくろうというこ
とになりました。ただ、ペットの埋葬って、異様に高額で、しかも怪しげな業者が多い
といいます。家族と同じ存在だったクロ。きちんとした弔いをしたい。

だけど、それまでペットを飼っていなかった我が家ではそんなつてもあてもありません。
そこで市の火葬場がペットの火葬もしてくれると聞いて、そこに連絡をとりました。
市の施設ですので、専用のお墓まではありません。ただ、きちんとやってくれる。

そこで翌日、私とカリン、マリオ、ルイージの一家4人で、クロを連れて行きました。
そして、最後のお別れに、4人で手をあわせました。マリオも、ちょっとだけだけど、
でもしっかりと手をあわせてくれました。

すぐ近くに共同の墓碑代わりの石碑みたいなものがあり、みんなそこにお参りをすると
のことで、私達もそこがクロちゃんのお墓だよという事にしました。マグカップにネコ
の絵を描いて、クロちゃんの名前をいれて水を入れ、線香をあげました。

それまで、お墓参りというと、マリオもルイージもあまり良い顔をせず、マクドナルド
とか他のもので釣っていっていたのですが、この日からは「クロちゃんのお墓参りに行
くよ!」
というと、すぐに二人とも来てくれるようになりました。
 
むしろ、休みの日になると、「クロちゃんのお墓は?」とマリオが逆に聞いてくるくらい。
だから、ホントに休日は毎週のように墓参りに行ってました。そこには、私の家のお墓
もあるので、クロちゃんのお墓にお参りしたあとは、家のお墓もお参りしていきます。
ご先祖さまも、びっくりしたでしょうね。今まで、余り顔をださなかったのに、急に毎
週のようにお参りにくるようになったから。

死んだら、お墓にはいって、天国にいく、
…マリオもそんな感じでは理解してくれたかな

さすがに、今は年に2回程度のお参りになりました。
それでも、「クロちゃんのお墓参り」というと、普段は外に出たがらないマリオも二つ
返事でついてきてくれます。


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コメント
この記事へのコメント
クロちゃんの死には涙があふれてきました。
マリオ君にとっても辛い経験となってしまいましたね。
「死」への恐怖や理解が難しいのは私達大人も同じで、
私も家族や我が家のにゃんこうーたんの死を想像すると胸が締め付けられます。
ましてやマリオ君にはもっともっとその気持ちの処理が難しいんでしょうね。
でも、クロちゃんの死を今このような形で受け入ているマリオ君に
ホッとしました。
2006/03/05(日) 18:23 | URL | るぅ #-[ 編集]
「加減」の勉強
園でもインコを飼っていましたが、やはり幼い子ども達には「生き物への力の加減」が難しいようで、籠をバンバン叩いたり砂を上からかけたり…と、大変でした。
でも、だからといって隔離するのでは教育にもならないので、本当に難しい問題でした。

マリオ君が、御参りに二つ返事で行く話。
きっと、Hidekiさんとかりんさんの優しさと、クロちゃんを本当に可愛がっていた愛情を感じられ、それがマリオ君に伝わったからこその表現だったのではないでしょうかね。
追伸
何~て偉そうな発言をしてしまい、スミマセン。
2006/03/05(日) 22:46 | URL | サーコ #-[ 編集]
ごめんなさい
とくにネコ好きな方にはつらい話ですよね。ごめんなさい。ペットって、当然人間とは違うのだけど、それでも本当に家族とおなじような存在になってます。

家の中に動物がいることで、マリオにもルイージにも、気持ちのやすらぎになってるし、命を感じられる貴重な存在にもなってます。

ただ、可愛がっている分、愛情を注いでいる分、その喪失感ってすごいんですよね。
2006/03/06(月) 00:16 | URL | Hideki >るぅさん #JalddpaA[ 編集]
触れ合うこと
難しいところですよね。無理だ無理だといってたら、いつまでたってもできない。きちんと見守り&導くという前提で、ある程度の背伸びは必要なんですよね

この時、よくマリオは気持ちを整理つけてくれたな、と思っています。ずっと引きずってもおかしくない話だったから。そういう意味じゃ、一回り成長したと言えるかなぁ。

2006/03/06(月) 00:23 | URL | Hideki >サーコさん #JalddpaA[ 編集]
ご家族にはとてもつらい思い出と思われますが、アップしてくださってありがとうございます。
すばるも、ちょうど今「死んじゃったらどうなるか」みたいなことを微妙に考え出したみたいで....
概念もわからないんですが、もしも身近なペットなんかの死をきっかけに理解するとすれば、(あまり可愛がってないんですがv-12)、成長の過程とはいえ、つらいことですよね、きっと。
2006/03/06(月) 13:55 | URL | すばるママ #TBb5cWT2[ 編集]
つらい体験
やっぱりこの先生きていくうえで、つらいことにも直面しますよね。私達だって、そういうつらい思いをしたとき、いろんな形で乗り越えてきました。成長するために、つらい思いをする、というのは、ちょっと違うとは思うけど、直面したその時々にどう対処していくか?で、一段と成長していくことになるのかなと感じています。

2006/03/07(火) 20:33 | URL | Hideki > すばるママさん #JalddpaA[ 編集]
はじめまして!クロネコを飼ってる「きらきら」といいます。うちの子どもたちもクロを飼う事ことで成長してきました!
2006/03/08(水) 19:22 | URL | きらきら #-[ 編集]
はじめまして
きらきらさん、はじめまして!ようこそです

うぅ、クロちゃんって同じ名前なんですね
ちょっとイヤな記事になってしまいましたね。ごめんなさい。

でも、ペットの存在って、親とか兄弟とか、
あるいは友達とかとも違う、本当に独特な存在に
なるように感じてます。

マリオもルィージも、ペットを飼うことで、
それまでは得られなかった得たように思います
2006/03/10(金) 09:30 | URL | Hideki > きらきらさん #JalddpaA[ 編集]
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