我が家の自閉っ子のマリオ(現在は青年ですが)の成長と、自閉独特の面白?話をお送りします。現在、 管理人がマリオの恩師と一緒に「ハッピー・クローバー」という障がい児・者を応援する会を作りました。障がい児・者の余暇を広げるためにいろいろな事にチャレンジしていきたいと思ってます。先々はマリオも手伝ってくれるといいな~

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私は、3人兄弟の一番上、しかも下は妹が2人。つまり「兄」というものを知ら
ない。だけど、マリオが小学3年のときの担任になったT先生は、お兄さんとい
うのは、こんな存在になるのかなぁと思わせる人でした。

というわけで、続きはこちらで↓




いままでお話したように、マリオ低学年のときは本当にバタバタして、2年間で
担任は都合4人の先生が入れ替わり立ち代りという感じで、落ち着きなくおわり
ました。1年で新たに転任してきたKW先生はとんでもない問題教師、教頭先生
が問題を理解してくれ急遽つれてきたKO先生はまじめだけどニジマス先生に、
その代理で来たA先生は子どもたちととても上手くやってくれたけど、あくまで
も代理ということなのでほどなくすぐ交代。休養ののち復活したKO先生ですが
結局うまくいかなく再度休養に。

教頭先生も色々と頭の痛い思いをした事と思います。何よりも、子ども達がかわ
いそうでした。クラスが落ち着かないからでしょう、マリオはボールプールの中
に寝そべり、D君はひらひらに一日中熱中し、それぞれに「安心」できる居場所
を子ども達なりに作り、避難していた感じがします。

そんななか、3学期の半ばにT先生が赴任してきました。このときの春の異動で、
私達を理解していろいろと苦心してくれた教頭先生は、他の小学校の校長として
転任されたので、いってみればT先生が教頭の最後の置き土産みたいな形になり
ました。

一番最初のT先生の印象は、まだ若く小柄でちょっと大人しそうな感じで、正直
なところ、大丈夫かなぁ、という感じをうけたのを覚えています。まあ、改めて
今思えば、へんにギラギラした熱血タイプ(どんなタイプじゃw)の人よりも、
自然体で接する人のほうが自閉症児には良いんですよね。

T先生は、若い男の先生ということもあって、最初は体力的なあそび(?)を、
子ども達と一緒によくやったようです。D君はちょっと敬遠したようですがマリ
オはそんな体力遊びは大好きです。「もう一回、もう一回」と、飽きずに何度も
何度も求めてくるので、それに応えつづけるとヘトヘトになるのですが、T先生
体力の続く限り応えて遊んでくれました

考えてみれば、マリオとそういう「遊び」をしてくれたのはT先生が初めてだっ
たのかもしれません。だからでしょうか、T先生がマリオにとって少しづつ大き
な存在になっていったように思います。

いつだったか、ある日の夜、家でいつものようにゲームをしていたマリオが、こっ
ちを向いて突然「T先生!」と語りかけてきました。(ん?T先生…??)とちょっ
と戸惑っていると、「じゃなかった、パパ!」と言いなおすのです。つまり、私
とT先生を間違えて呼んだだけだったのですが、そんなことは今まではありませ
んでした。それだけ、自分の近くの存在にT先生がいたという証なんだと思うの
です。
(この後マリオと上手くかかわっていってる先生の名前が、ちょくちょく間違っ
て出てくる様になりました。ある意味で一歩成長したといえるのかもしれません)

6月くらいには、カリンがずっと教室にいなくてもすむようになってきました。
最初は数時間くらい姿を消すから始めて、徐々にそれを長くしていき、最後には
朝に教室に送っていったら、あとは帰りの時間に迎えにいくだけですむようにな
りました。このおかげで私達(とくにカリン)はぐっと楽になりました。ずっと
教室の中にいたお陰で、学校の先生方と通じ合えたし、学校の実情もよく見え、
何よりもKW先生の件の問題が大きくなる前に対処できたのは良かったけど、
やはりしんどかった。カリンも2年間もよくやったなぁ、と今更だけど思う。


一方で、当時のマリオは、自分が最初思ってたとおりにならなかったり、自分が
やっていることを途中に止められたりすると、往々にしてパニック
になっていま
した。だから、自分がやりたいと思った事を延々とやってしまい、時間がきても
それを止められない状態でした。

基本的に、マリオの心の負担になるような事はしない、無理にやらせる事はしな
い、親の・大人の都合を子どもに押し付けない。それは今でもとても重要なこと
だと思うのですが、一方で、生活の中でいつもいつも自由に好き勝手できるとい
うわけでもないのも事実です。

「無理をさせないというのは分かりますし、大事なことだと思います。だけど、
これではちょっとひどい。」


T先生は、そう考え何とかしなくてはと思ったそうです。しかしながら、自分だ
けでは自閉症児の対処の方法は分からないことも多いからといって、手をつくし
自閉症の専門の方に相談してくれました。


当時のマリオは
 ○運動会の練習でパンが出てこない→パニック。
 ○PCはしたいのだが、コンピュータールームにはいけない。
 ○セロテープやボンドを必要以上(というか無茶苦茶)使う


そこで、その方のアドバイスは

・基本的に、先の見通しをもって行動ができていない。だから、その場その場の
目先の感情だけに左右されている。先に何があるか、どうなるかが全くわかって
いないから、一つつまづくと「この世の終わり」かのように混乱(パニック)する。

だから、最初にこの先・これからの段取りや予定を本人に話をして、納得しても
らう。そこに「時間」という感覚をくわえて、「計画」という概念を身につけて
もらう。例えば、家でも「宿題をやって」から、「ゲーム」をする、という順序
を理解し、そのために自分を「コントロール」する気持ちを少しづつ養う。

ただ、恐らく当初はパニックをおこして、いろんな物を壊されたりするかもしれ
ない。それは、こちらもあらかじめ覚悟しておき我慢すること。




といったことをやってみませんか?という提案がT先生からありました。
私らは、まずはマリオが学校に慣れる(=学校が自分の居場所の一つになる)・
担任の先生に慣れる(=先生が親以外の大切な存在になる)という点の実現だけ
でここ2年の間、汲々としてきましたので、正直いってマリオの「療育」という
点にまで、あまり配慮がいってませんでした。

だから、T先生のこの申し出は、私達にはとてもありがたい話だし、私たち自身
も反省させられた話でした。

さっそく、その日から「時間とスケジュール」がその時々でマリオと決められる
ことになりました。学校を2時45分に出て、アピタのマクドナルドによって、
家に帰る。5時にお風呂に入って、6時にご飯をたべて、9時には寝る。お出か
けするときも、出かける前にその日の予定をマリオに一通りで説明してから行く。
「マリオ!、これからお墓参りして、そのあとマクドナルドによって、ローソン
にいくよ!OK?」と話をして、マリオのいきたい「マクドナルド」をからめて
本来の目的であるお墓参りに誘い出す感じです。

そのうち、ちょっとした「交渉」が始まりました。

朝、学校に送りに行って、「じゃあ、マリオ今日は3時に迎えに来るね!」と言
うと「う~ん、、、2時!」とかなぜか時間を早めて返すようになってきました。
さすがに2時じゃ早すぎる。
「え~、じゃあ2時45分でどうだ?」…「いや2時15分!」とマリオ
「わかった、じゃ2時30分!これならいいでしょ?」…「ん…OK!」
なんちゅうか、ダメもとでわざと早めな時間をふっかけてきたんかい!、という
感じです。

ただ、この時間での見通しの練習が、厄介な「時間へのこだわり」を生んでしま
いました。
自分の中で、なぜかPM4時までに家に帰らないと「いけない」と思
うようになってしまったのです。自動車のパネルにデジタル時計がついているの
ですが、それの時間が4:00となる直前は、もう大騒ぎです。
「あと2分。はやくしろ!!!」「もぅ、、、間に合わないよ~、はやく~!」

4:01に時間がなってしまった暁には、この世の終わりかのような嘆きぶり。
「あぁ~~…。間に合わなかった?。間に合わなかった?ねぇ。。。」「もう死
ぬ。死んじゃう!(いきなり、何を…?)」ずっと遅れたことから離れられない。

こちらもそんな状態になるのはイヤだから、自然とアクセルを踏み込んでしまう。

「マリオ、ちょっとだけなら遅れてもいいじゃない…?大丈夫だよ~」
といっても、聞く耳を持ちません。

この時間へのこだわりはこのあと2~3年続きました。ただ、この手のこだわりっ
て、いつのまにか自然に消えることが多く、時間へのこだわりも徐々に薄らいで
いきました。
この手のこだわりは悩みの種になりますが、親としてはあまり変に
意識しすぎないほうが良いようにも思います。自閉症児って、急には変われない
のですが、少しづつ少しづつ成長していくのですから。

■■■
またT先生は、当時教室にあった、ボールプール、ジャンプ台等々といった遊具
を全部しまってしまいました。私はこの話を聞いたとき、正直不安に思うと共に
ちょっとさびしく思いました。はじめてこの教室をみたときの、そのやわらかで
やさしい空気を演出した遊具たちです。T先生は、おそらくそれが子ども達の気
を散らすと考えたのでしょうが、私は子ども達の安らぎの場がなくなるような気
がして不安
だったのです。とくにボールプールはマリオの逃げ場所でしたから。

そんなある日、いつものようにお迎えにいったとき、教室をそっとのぞきこむと、
なんとあのマリオが机に座っているではないですか。いつもボールプールに逃げ
込んでいたマリオがです。ふと黒板をみると、T先生が算数(たぶん)を教えて
いたのですが、その教え方に少し「おふざけ」が入っていました。

マリオはよく「おふざけ」をする子でした。「バカなありえない」ことを言って、
笑いをとるのを好きという、関西でいう「ボケ」と「つっこみ」でいう『ボケ』
が好きな子だったんです。これは、マンガの「スーパーマリオ君」というもので
さらに増幅されました。「スーパーマリオ君」はマリオとヨッシーを中心にした
ギャグマンガだったんですが、そのギャグにはまりこんでいたんです。だから、授業と
かで質問を聞かれても、まともには答えません(^^;;。かならずボケます。

だから、そんなマリオのボケ回答をしっかりとうけつつ、こちらもボケをまじえ
ながら応える
ことでマリオの興味を惹いていたんです。

私としては、あのマリオがイスに座って授業をきいてる、という時点でもう感動
ものです。

くわえて、T先生はマリオに対して、はじめて「宿題」というものを与えました。
アドバイスにあったとおり宿題のあとでゲームをするという「段取り」の練習の
ためです。ただ、今までのマリオだったら単純に宿題として与えてもやりません。
かといって、無理やりやらせても仕方ない。

そこでT先生は宿題を「修行」とゲーム感覚で呼び、遊びとしての「修行」
というものでマリオの気持ちをひきつけました。そして「今日の修行」ということで、
内容は最初は易しいものでしたが、毎日毎日1Pづつプリントが配られました。
そのうち「T先生、今日の修行は?」とマリオのほうから言うようになったりする
ようになったのです。「学び」に「遊び」をうまくとりいれて、子どもの関心をひいてくれた
そんなT先生の上手さが光ったように思う。

なんというか、はじめてマリオが授業というものをうけたような感じです。

■■■
T先生が担任となって、マリオは一回り大きくなったような気がします。
だから、T先生には今も非常に感謝しています。

思えば、T先生は自身のもってる良さを活かしながら、自分で足りないと感じた
部分はさっさとその道の専門家の考えを請い
、しかもそれを鵜呑みにしないで自
分なりの解釈とやり方で進めて
くださいました。

ややもすると、自分のやり方や考え方に固執してしまい、自分の足りない部分も
含めて全部自分でやろうとしてしまう人や、いっぽうで逆に、他人(専門家)の
いうことを鵜呑みにしてしまって、その人の言うがまま形だけなぞるという人が
多いと思う。そうならずに、自説に固執せず、しかも他人に流されず、しっかり
と進めてくれた点でT先生はすばらしかったと思うのです。

(たしか)家庭訪問でうちに来たときに、話がおわったあとでT先生は家の前の
公園でルイージとキャッチボールをしてくれました。

本当に、お兄さん、という感じの先生でした。

そして、このT先生との出会いから、マリオは大きく変わったと思うのです

ただ、このT先生も正規(?)の教員の方ではなく、講師(字が合ってるかどう
か不安ですが)の先生でした。結局、T先生がみてくれたのは3年生の時の1年だけ。
私としては、このままずっと見てもらいたかったのですが、どうもそういうわけ
にはルール上いかなかったようです。

こうして、マリオは4年生になって、また担任の先生が代わることになりました

 1年生 KW先生         →3学期だけM先生(隣と兼任)
 2年生 KO先生 →2学期A先生 →KO先生(すぐ休養) →T先生
 3年生 T先生

実は4年生の担任も1年でかわり、5~6年は1人の担任にみて頂いたのですが、
都合で9人の担任先生が小学校で入れ替わり立ち代りしたことになります。
実は中学校でも1年ごとに担任が代わってますので、小中学校で12人…

素晴らしい先生に出会って、大きく成長し、うまくやってこれたから良いものの、
やはり、ちょっとかわいそうなことをした気がしてます。
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コメント
この記事へのコメント
お兄さん
ジヘイ君もお兄さんタイプの先生が大好き。
ただ今中学校の先生はそういうタイプ。
新米先生です。
先生との関係がいいとその先生の教科も好きになるし
学校も楽しそう。
そういう子どもを見てる親の方もうれしい。
技術とかそういうのじゃない・・なんだろ・・若さ?(笑)
何がどんな風になって好きなのかはわからないけど
いい関係は確かに子供を成長させるねー。
でも、ウチは今進学でとても頭が痛い。
はぁー・・いやな時期。
2005/11/23(水) 22:22 | URL | くめくめ。 #SFo5/nok[ 編集]
マリオは(キレイな)お姉さんタイプも好きかもw
でも、ホントに先生との関係って大きいですね

> 技術とかそういうのじゃない・・なんだろ・・若さ?(笑)
若い先生だから、好みの話題に近さがあるということは
いえると思う。
あと言葉は変だけど、「友だち」になれるかどうか
「いっしょに遊べるかどうか」
変に歳くった先生だと、「遊んであげる」タイプが多くて
そんな人にはなつかないように思う。

でも、どんなにベテランになっても、歳をめさえても、
そのあたりのつながりが上手い先生っています。

 …だから、年齢じゃないのかも

> でも、ウチは今進学でとても頭が痛い。

あ、くめさんのとこも今年卒業でしたっけ?
じゃあ、うちのマリオと同じだ

とにかく、自分の目で学校をみて、
しかも実際にそこにいる通っている生徒の様子を感じてみる
のが一番良いと思います。
良いクラスは、生徒も活き活きして、
見ず知らずの人もかまわず話しかけてきます。

普通クラスだとしたら、そこまではできないでしょうから、
まずは先生に話をしてみることから始まるのかなぁ
(マリオは、はなから普通クラスの高校には行けないのは
 明白でしたので検討もしなかったから、あくまでも想像ですが)

でも、くめさん、できるだけあせらず、前向きに、おおらかに
考えて生きましょう!
2005/11/24(木) 00:18 | URL | Hideki #JalddpaA[ 編集]
こんにちは
先生によって、子供の一年ってすごい変わるものですね。
親が気づけない部分を提案してくれる先生はとても有難いです。

うちの長男もお兄さんタイプが好きです。
体力的な遊びをしてくれるというのは、
ものすっごい魅力的なことみたいです(^^;
2005/11/24(木) 16:51 | URL | さとこ #-[ 編集]
さとこさん
こんちは、
子どもの頃って、1年1年でホントに大きく変わりますよね
思い起こせば、自分もあの頃の1年ってすごく変化があった
 …それが大人になるにつれ、1年の変化がほとんどなくなっちゃう(あふ

体力遊びは、マリオに限らずルィージも好きです。
男の子は、おしなべてみな好きな傾向がありますね
でも、これも程度問題があって、
同級生のD君にはちょっと激しすぎてビビってしまい
引いちゃったそうです。
個人差はありますね色付きの文字
2005/11/24(木) 21:02 | URL | Hideki > さとこさん #JalddpaA[ 編集]
学ぶ事を怠らない先生
理想的な先生ですね。
ご自分に驕ることなく 解らない事は解らないで学ぶ姿勢…
個人の長所短所を見極めて 導いてくださる。真の先生ですね!!
2005/11/25(金) 16:26 | URL | peco #6iLT5hs.[ 編集]
自然体で、肩肘はることも背伸びするもなく、
とても良い先生だったと思います。
先生らしくない、といえばそうかもしれませんが(汗、
マリオには最適な先生でした

実際にT先生は、その後養護の道をあゆまれました。
学んだ方向に進んでいったという感じかもしれません。

2005/11/26(土) 01:35 | URL | Hideki > peco さんへ #JalddpaA[ 編集]
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